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円は対ドル149円後半、雇用統計が米利下げ観測補強-日銀の思惑交錯

 9日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=149円台後半で推移。米国で雇用統計の内容が12月の利下げ観測を補強し、前週末に一時149円台前半までドル売り・円買いが進んだ。その後は米連邦準備制度理事会(FRB)高官の利下げに慎重な発言や、日本銀行の追加利上げを巡る思惑が交錯し、もみ合う展開となっている。

SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は、12月の米利下げはほぼ確実な情勢だが、FRB高官は関税を意識してインフレ警戒が根強く、米金利が低下した割にドル安・円高が進んでいないと指摘。一方、日銀の金融政策については「今月は利上げするチャンス」だとし、ドル・円の上値は重くなるとみている。

円相場は対ドルで6日ニューヨーク終値比0.1%高の149円90銭-午前9時20分時点6日の海外市場では一時149円37銭まで上昇


6日の海外市場では円が主要10通貨に対して上昇。米国で11月の雇用者数の伸びが予想通り回復する一方、失業率が上昇し、ドル売り・円買いが強まった。
その後、予想を上回る消費者マインド指数や米金融当局者の発言を受けて、ドルは買い戻された。米10年国債利回りは一時4.13%程度と10月下旬以来の水準に低下。
オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では12月の利下げ織り込みが8割台に上昇した。

一方、日銀の金融政策を巡っては観測報道や日銀審議委員の発言で思惑が交錯。OIS市場では12月利上げの織り込みが先週の6割台から一時3割弱に低下した。

野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは9日付のリポートで、米国が利下げし、ドル・円の上値が重くなると、日銀も12月の利上げ見送りに傾くとの見方が市場で高まりやすいと指摘した。